
Rakka 60 AtlasとDuhuk HerzでHE Customを組みました.
キーボードを作った・キーキャップを買ったわけでもないのに1/4ドール1体分の金額が飛んでいきましたが, その割には正直まあこんなもんかって感じです. 後悔しているわけではないしそれなりに満足しているのですが, メカニカルのように遊びの幅はなさそうというか, HEは構造がシンプルであるが故に既に成熟していて今後の展望みたいなのあんまなさそうだなと思いました. これ以上digる必要感じないしこれでEndgameでいいかな.
XLRケーブルが断線してるので打鍵動画とかはないです.
Rakka 60 Atlas
無駄に付属パーツが多く高価なためおすすめしません. 殆どの人はVENOM60HEで必要十分だと思います.
何故, H60互換かつHHKB Layoutに対応していて価格も比較的マシで販売開始から一年以上経過していてレビューも豊富で評判の良いVENOM 60 HEを買わなかったのかといえば, VENOMに(個人的には)致命的な欠陥があることがRTINGSのレビューで発覚したからでした.
- 4 Chord Split Delay
- 4.3 ms
- 8 Chord Split Delay
- 17.5 ms
VENOMは, 4K Chord Split Delayは何の問題もないのですが, 8Kになると他のゲーミングキーボードと比較して悪い数値となっています. 多くのまともなゲーミングキーボードは概ね8K Chord Split Delayが平均10ms前後に収まっていますが, VENOMでは平均18msもあります. 平均18msということは実際にはそれより遅延が小さかったり大きかったりと振れ幅があるということになります (例外は仕様上の理論値ほぼそのままを叩き出しているQMK Firmwareな一部のキーボードくらいです).
RTINGSは8Kの方の測定値を公開していない?っぽいので実際にどれくらいの振れ幅があるのかはわかりませんが, 仮に最大で30ms遅延があるとすると, 5ms FASTで叩いた全押しの最後のキーが25ms SLOWとして入力されることになり, これは発狂BMS(のEASY判定)では黄グレとして処理されることになります. デバイスに拘ったところで肝心のプレイヤーがしょぼくては意味がなくあまり執着するのはよくないのですが, 流石に最大30msくらい遅延する恐れがあるのは厳しいと思います.
Rakkaはどうでしょうか. Atlasは発売したばかりですし, 旧Rakka 60もRTINGSではレビューされておらずChord Split Delayはわかりません. ……アレ, なんで「Atlasは複数キーの処理・Chord Split Delay酷くないはず」と思い込んでたんでしょうね? Scan Priorityの設定があるから大丈夫だろうと思ってたのかな. よくわかりません. 謎です. ええ……? 後から疑問に思い始めるのやめてね……
とはいえ全押しで特に変な黄ばみ方してる様子はなさそうだったので多分大丈夫, だと思いたいです.
UDBに対応しておりカスタム筐体でも使えるよう配慮されてはいるのですが, ケーブルが無駄に長すぎて取り回しが最悪なので, クリアランスがギリギリだったり音響効果を狙って凸凹に加工してあるような筐体だと使えるか怪しそうです.

LED Panelも厚みが増すため, ケーブルも含めると殆どのカスタム筐体では使用不可になる気がします. もっともカスタムユーザで打鍵感・打鍵音の悪化するLED Panelを使用したい人はまずいないとは思いますが.
注意点として, Mounting Pin Holesが小さくスイッチによっては付け外しが困難で, 最悪破損の恐れがあります. 少なくともGrain Gold製のスイッチ(Lekker Tikken, Duhuk Herz)で問題がありました. 公式には非対応(非推奨)とされているスイッチを使っている以上あまり文句は言えないのですが, 他のHE PCBでこんなことにはならないだろうしちょっとどうかと思いました.


Tikkenは期待外れだった(後述)ので闇市に流すつもりになってたんですけど, 取り外すときに一部ハウジングやピンが破損, 破損しないまでも爪の部分の状態が悪くなってしまったものが多く処分し辛くなってしまいました……

一度挿したスイッチを取り外してみるとピンが削れています. 公式に対応しているとされているKS-20でも削れてたので本当にギチギチです.
何度か付け外しして穴が広がったのか今はそこまで力を込めなくても抜き挿しできるようになっているのですが, 最初の状態は本当に酷く軍手を着用して掌底で押し込まないといけないくらいギチギチだったので(冷静になって思うとその時点で一旦手を止めるべきだった), これからビルドする人は十分に注意し, 最初は高価でないスイッチで組んでみることを推奨します……
Duhuk Herz
当初はLekker Tikken Switch (w/ Geon HE Springs 52.5gf)で組むつもりだったのですが, なんというか期待外れでした.

TKXや天キーで触った感じでは良いと思ってたんですけど, 実際に自分で組んでみると, 「滑らかすぎてボトムアウト以外のフィードバックが限りなく薄いが, 鳴りが良くないのでボトムアウトのフィードバックもいまいち薄い」 ということで, 悪いスイッチではなく寧ろ品質的には最高レベルのスイッチなのですが, 好みではないということになりました. HEのFull Travelは構造的に鳴りが悪くて全部微妙なのかもしれません.
あとGeonのHE SpringsはKS-20のそれと比べてなんか明らかに重たくてこれも思ってたのとちょっと違いました. どっちもBO 52.5gfのはずなんですけど, slow springに近い特性なんですかね…… 良いバネ(個人的に好みのバネ)が見つかればTikkenの評価は若干マシになるかもしれません.

結局, クーポン込みで3.4k/70pcsで買えたDuhuk Herzで組みました. Lekker Tikkenと同じくGrain Gold (Hejin)製で高品質, Short Travelで鳴りも良いです. 馬鹿みたいな送料と関税と謎の税と換装用のバネ込みで15kしたスイッチよりこっちの方がずっと好みで虚しくなりました. こんなことならブルアカで闇の課金パケ買ってアツコとサキの固有上げた方が良かった.
FUN60に載せて試していたときは軽すぎて制御し辛いと思っていたのですが, このビルドだと特にそんなことはなく丁度良い感じになりました. FUN60のキーキャップが摩擦係数めっちゃ低かったんですかね?
HEは軽く短いバネでも反発力があって疲れないのは良いですね. 個人的にはラピトリとかよりこれが利点として大きいと思います.
Custom Plate

JLCに投げました. 警戒して箱開封時に動画を撮っていましたが, 梱包も丁寧だったし金具引っ掛けたところ?がano欠けてるの以外は完璧でした. Silver/BlackのプレートはJLCに投げて大丈夫そうですね(他の色は品質が良くないらしいmatte finishしか選べなくなってしまったのでわからない……).
7 Mount Pointsで設計しましたが, HEはスタンドオフでPCBとプレートをガチガチに固めているので, 5 Mount Pointsでも十分に硬く問題なさそうです. ECでもスタンドオフで固めているのは同じなので, 今度EC (Dynacaps)で組むことがあれば最初から5 Mount Pointsで作ろうと思います.
AP, RTなどの設定
Rakka Configurator ToolをLinuxで使うにはudevを書く必要があります: LinuxでRakka 60 Atlasの設定を行えるようにする


AP 1.5mm, RT 0.5/0.7mmとしています.


LinuxデスクトップではNKROを無効にして起動するお節介を働くっぽいので Toggle NKRO を Fn + N にバインドしておきました. 毎回手動で直してやらないといけないのはちょっと面倒ですね…… 今時そんなレガシー環境にゲーミングキーボード繋ぐ人いないし無効にしてくれなくていいと思うんですけど. というかなんでForce NKROの設定がないの.